ドラァグは男が女になることだけじゃない! ってことを体現し私を救ってくれたラジャ様
20代前半くらいの時、LGBTQ+コミュニティをウロウロしてたことがあります。
当時はLGBTQ+みたいな言葉はなかったから昔話ですね……。
ドラァグクイーンのリップシンクを生で見たことがあるしとか自慢してみる(ミッツマングローブとか!)
でも、その時はあんまりピンと来てなかったんですよね。
一応、その当時から、女性だってドラァグできるっていう話は聞いていた一方で、
女装子さんたちの着替え部屋みたいなものがあるのも見てて、ドラァグっていうのは漠然と「女装」というパフォーマンスだと思ってたんだと思います。
主にレズビアンコミュニティに居たので、あまり沢山のドラァグクイーンと出会ってなかったのもあると思います。
そんで今年2022年になって、やっとこさ「ル・ポールのドラァグ・レース」と出会って15年ごしに見識を新たにしたわけです。ラジャ様との出会いによって。
ラジャ様は、凄くフェミニンな格好であえて胸を入れなかったりするのがまず衝撃でした。シーズン1とか2は、女を目指す系とショーマン系で、まあ見たことあるなって感じだったんですよね。
ラジャ様の凄いところは、ドラァグの格好もまた自然体の自分であるというのが伝わってくる所なんです。肩をすぼめて恥ずかしがるのも、チャレンジに勝って「ヨッシャー!!」って厳ついガッツポーズをするのも、素のラジャ様だって伝わってくる。楽しいから、やりたいからやってるんだよ!っていうのが全身から伝わってきます。
私が10代〜20代の時のファッション界は「モテ」「ほめられ」「大人っぽ」みたいな話ばかりで
「不特定多数に褒められるために生きるなんてゴメンだね!」と雑誌を投げ捨て、化粧に中指立てて暮らしてきました。まあ「ZIPPER」とかもあったのは知ってます。でも惹かれなかった。
アラフォーの今、メイクについて調べると「きちんと感」「若見え」「きれいめ」と来てまた中指が立ってしまうわけです。
そんなときにラジャ様を見て、そうか。自己表現しても良いんだ!と今更ながら気付きました。S1やS2のドラァグクイーンたちも自己表現に違いなかったわけですが、どこか別の世界の人、夜のステージに立つ時の格好だと感じる部分があったのかもしれません。
S3でラジャ様のランウェイを見たときの衝撃を忘れられません。自信満々にウォーキングを決めたと思ったら、評価の時には高揚してソワソワニコニコが隠しきれない自然体の魅力は強烈でした。天真爛漫ってやつです。
あるエピソードで「からかわれている少年たちに夢を与えたい。自分をさらけ出していいのだと教えたい」というスピーチがあるのですが、その感動的な言葉は日本の30代既婚女性の私にも届きました。
今、人生で初めて、前向きに化粧を捉えられるようになりました。ラジャ様には感謝してもしきれません。